2018年01月14日

航空宇宙軍史完全版4

エリヌス-戒厳令-と仮装巡洋艦バシリスクのセット.

前者はエリヌスで起こったクーデター未遂とその顛末の話.これはこれでもちろん面白い.しかし後者の,特に「砲戦距離12,000」が宇宙戦争SF史に残る(と勝手に思っている)ヴァルキリーについての2つの話が最高なので,それしか印象に残らないのだ.もちろんエリヌス-戒厳令-は単品で十分面白いのだが.

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デルタ・ベースボール・リポート1

DELTAは調子に乗っているとしか思えんのでヌルデータには復帰してもらわんと困る.
それはそれとして,NPBとそれ以外の配球の差や落合中日の強さの理由についての記事など面白いものがいくつかあって良かった.問題は,余りに少ないデータで「配球の文脈」を追おうとした記事など低レベルなものが混ざっていること.これはそのうち淘汰されると信じたいが.
全体的に,どうしてもデータ解釈というのはレトロスペクティブになりがちだが,何とかプロスペクティブな記事が増えると良いのだが.
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明るい公務員講座

何と言うか…仕事が進まなくて悩んでいた時期が2017年はあったんだなって証拠が…出てきたなって…
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ドイツ軍事史

ドイツ帝国は,誕生から終焉まで200年と保たなかったが世界史に多大な影響を与えた.それを支えたのがプロイセンに端を発する強大な軍事力であったと言っても良いのではないか.
ところで,自分は独ソ戦については多少パウル・カレルの本を読んだとはいえ,ドイツ帝国の軍事史については知っているとはとても言えない.
なので,勉強しようと思って買った.

全体的には各論の寄せ集めで統一的な理解を深めることが出来たかどうかは疑問があるが,読んでいて面白かったとは言える.
現在の「ドイツ第四帝国」は軍事力には支えられていないが,ドイツ人という一筋縄ではいかない存在を理解するのに,何か役に立つかもしれない.
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こちら秘封探偵事務所 萃夢想編

萃夢想はいつでも一旦の箸休めみたいなところがあって,本作でもそう…かと思いきやそうでもない.幻想郷のあり方,つまり「他人の認識が自己を規定する」という論理の確立がここで果たされた.その実例として伊吹萃香が使われたという感じ.
文を言いくるめる蓮子とか,天狗の里の面々とか,風神録を見据えて登場人物が増えて賑やかでキャラ小説としても良い感じでした.

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こちら秘封探偵事務所 妖々夢編

前作と一緒,本編の矛盾点や語られていない設定を謎に見立ててミステリやります.
底本になっているのが,作者自身の数年前の小説であったので,そこからの変遷を非常に楽しく読めた.
回答のぶっ飛び具合は前作を超える(というか作者史上最長では)のでちょっと追いきれない部分もあるが,そうかもしれないと思わせる豪腕は相変わらず.うっかりするとここの二次設定が自分の中の幻想郷に侵食してくるから気をつけよう.

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こちら秘封探偵事務所 紅魔郷編

幻想郷でミステリは難しい.妖怪が絡まない人間の里での出来事ならともかく,妖怪を登場させるとノックスの十戒なぞ軽く吹き飛ばす奴らが山ほど居る.でもミステリがやりたい.
ミステリの本質は謎解きと辻褄合わせであって殺人事件である必要はない.そして,そもそも東方Projectの物語はすでに何らかの事件であるし,その設定には時々齟齬があったりする.
であるならば,物語の矛盾点を謎と定義してその辻褄を合わせる物語であればミステリたりうるのか.
イケるやん!というのが本作品を読んでの答えである.
蓮子の作り上げた回答にはまるで及ばなかったが,楽しさという意味では十分だった.

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posted by terarorz at 16:22| Comment(0) | 本とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

航空宇宙軍史完全版III

最後の戦闘航海と星の墓標を合わせて1巻.

最後の戦闘航海の方はガニメデ宇宙軍の戦後処理とロックウッド大佐と作業体Kを結びつけ,太陽系内のローカルな戦争から太陽系外での「シャフト」等のSFへと切り替える重要な作品.個人的には航空宇宙軍史において太陽系外の話は蛇足だと思っているが,この戦後処理に関わるいくつかの短編からなる最後の戦闘航海は十分面白いと思っている.

星の墓標の方はダンテ隊長とタナトス戦闘団の最期,およびシャチのジョーイが辿った奇妙な旅の話.ありふれた名作,という域を飛び越えて特筆すべき存在となるのはやはりヴァルキリーが登場するから.後にヴァルキリーメインの大傑作があるのでヴァルキリーについての感想はそちらに譲るが,宇宙規模での長距離砲戦における弾着観測システムについての議論は萌える.
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あるいは自分自身の怪物

感情がない設定なのに行動原理が感情の主人公っていうラノベ,そんなに読んでないけど一杯ありそう.たぶんその主人公は不幸な生い立ちがあって,でも努力と天性の力のお陰でこれまで生きてきて,その筋では一目置かれるような存在なのかもしれない(あるいは大衆には認知されていないところで強大な力を持っている,とか).パッとしない中高生が自尊心を満たすのには最適の取り合わせ.オチは当然セカイ系.
非常に類型的で,本作もそのうちの一本.

じゃあお前何で買ったんだよと言われると困るが,たぶんタイトルに「あるいは〜」が含まれると自動的に買うための障壁が下がるんだと思う.博士の異常な愛情の邦訳者に感謝だ.
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2017年02月19日

2016年総括

流石に30を切った中からベストについて云々するのは烏滸がましいというかなんというか.

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最後にして最初のアイドル

悪くはなかったが良くもなかったというか.
笑った箇所が無いと言えば嘘になるが.

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不屈の棋士

人間とコンピュータソフトではどっちが将棋が強いのかという問題はすでに解決されて,人間の方が弱い.
そこで人間が将棋を続ける意味とは何なのかという問いに対してきちんと答える棋士はあまり多くない.
まあ,別に証言集だからこれで良いのだと思うが.
なおこの後で渡辺による三浦への不当な濡れ衣という問題が発生し,そこにソフト問題が絡んでいたことから,現在の思考で当時の読後感を振り返ることは不可能に近い.
逆に,今の見方で読み返せば面白いかもしれない.
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東芝 粉飾の原点

東芝とかいうバカでかい重電企業が債務超過の危機にある.東芝からも2016年の半ば(だったかな)に粉飾決済の話は出ていた.純資産1兆2千億に対して粉飾額が7000億あったこと.そして2017年になって,ウエスチングハウスの側で5000億くらいの赤字が出ていることを認めた.後者が4999億だったことから考えて,それより多い額を不当に低く出しているのはまず間違いない.2017年2月の段階では,少なくとも12月の段階で債務超過状態にありその後回復するという見込みも会計監査人からのお墨付きなしという状態であることがわかっている.国や銀行がどれだけ資金を投入するかは分からないが,恐らく数年後には無くなっているだろう.
2015年の段階でそれを指摘していたのが日経ビジネス誌であった.粉飾決済が積み重なって凄まじい赤字があること,そしてウエスチングハウスの買収が大失敗であること,どちらもだ.本書はその顛末と,それを明らかにした取材の記録である.特に,個々の社員による生々しい内部告発の文章は強烈だ.恐らく強力であろう東芝の法務部門と戦うことになっても勝つという自信があって出したのだ.珠玉と言って良い.

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ビッグデータ・ベースボール

2013年に,大幅にデータを取り入れることで躍進したピッツバーグ・パイレーツの物語である.この時すでに「マネーボール」が出版されて10年になる.この時点でMLBは恐らく2017年のNPBよりもデータが充実しまた重視されていたと思われる.

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posted by terarorz at 16:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 本とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

不動産男子のワケあり物件

引っ越した時期だったので軽い気持ちで読んだライトノベルだったが,内容はやはりライトだった.
どこかで見たことあるようなキャラクターたちが予想通りの展開で物語を進めていく.
暇つぶしにはなるが読んでどうこう思う何かではない.
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長考力

佐藤康光の将棋が好きで,何故かと言うと定跡を外すことに抵抗が無く力戦に持ち込んでは腕力でねじ伏せるみたいな形が多いからだ.
本人曰く,棋風が噛み合わない相手として,深浦,三浦の名前が出て来る.だが谷川とも羽生とも噛み合わないし,かと言って森内渡辺とも噛み合わない.辛うじて郷田とは噛み合う.…あなたがおかしいだけでは.
というわけでそういうわけのわからない人が普段何を考えているのかを知れる機会だと思って読んだ.
まあ,本人は普通にしているつもりのようで,内容がそれほど目新しいわけではなかったが(面白くはあった).
ところで,後書きには2011/3/11に何があったかと,それからどうしたかの話が書いてある.
何のために将棋を指すのか,佐藤康光なりの回答が書いてある.
この本を買う前の自分に会う機会があれば強く推薦するだろう.
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4-4-2 ゾーンディフェンス セオリー編

ボールゲームのゾーンディフェンスなんて理屈は大体一緒だろと思うが,サッカーはオフサイドがあるので他のスポーツのゾーンディフェンスと完全に一緒と捉えてはいけないのかなとは思った.
近年では442を破るための433ゼロトップやら361ないし541やらが生まれ続けているが,442の側もアトレティコの
4420みたいにコレクティブさを増して対抗していて,中々トレンドを追いきれない部分がある.
まあそれでも,最もバランス良くピッチに人を配置していて基本となるのは442なので,その守備のメカニズムを知っておくことに意味はあるのだろう.
posted by terarorz at 14:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 本とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

クロックワーク・ロケット

イーガン.
白熱光にちょっと似ている.ただしあれは既知の世界の物理法則を人ならざる存在が再発見するという物語であったが,今回は我々の世界とは異なる物理法則を人ならざる存在が発見している.
正直に言って,物理的な部分は読んでいても全然わからなかった.訳文だから,というわけでもないだろう.教科書だと思って図を描きながら丹念に読めばわかるのだろうが,そんな読み方したくないし,移動中とかに読む場合はできない.
科学技術それだけでなく,科学者と性差というか強い性と弱い性についての問題が書かれていて「所有せざる人々」との関連を考えざるを得ない.
一応今作でも完結しているが,三部作なので物語全体の終わりはまだ見えない.流石に現時点で評価を固めるのは無理.
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真紅の碑文 上・下

上田早夕里の華竜の宮が良かったので続編とあらば読まざるを得なかった.
遺伝子組換え技術が発達しすぎて人間なのかどうかわからなくなった存在と人間の立場にとどまっている存在との相克の物語.
異種間コミュニケーションは人間側あるいは非人間側が来訪者である場合も多いが(前者の場合は異世界物と呼ぶこともあろうか),今作のように非人間側が人間側の被創造者である場合もままあって,産んだ側の苦しみと責任や産まれた側の葛藤と受容などこの設定ならではのテーマで話を持って行けて良かった.
また,女性作家にありがちな(男性作家もやるが)湿っぽいというかネチョネチョした恋愛描写がなく,それでいて連帯とか絆とかいった話が無いわけでもなく,心地よく読めたことも記録しておきたい.
できれば別テーマで長編SFを書いて欲しいんだが,出てたっけ?
posted by terarorz at 14:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 本とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月05日

ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 上・下

第二次大戦で枢軸国が勝っていたら,というのは佐藤大輔を持ち出すまでもなくディックの「高い城の男」のように古典的なテーマである.これを現代風に焼き直すとどうなるのか.

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posted by terarorz at 16:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 本とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする