2014年01月25日

2013年総括

去年の総括をやろうとして何度も失敗している.ベストが選べないのだ.
というかそもそも選評に名前を残したいと思うのがあまり無い.
とりあえず順位付けは行わず(大賞なしみたいな)思いつくままに書くことにする.

みずは無間
アイデアは物凄く良いし読んでて楽しかった.個人的に立ち位置は「あるいは脳の内に棲む僕の彼女」みたいだと思っているが,アイデアやそれを作品に反映させる力は間違いなくこちらのほうが上.それだけにラストの爆発オチに不満が残る.あちらは曲がりなりにも最後にどんでん返しとオチがあって風呂敷を畳んだのだから.
個々のアイデアについては今更触れないが,もう一度読みたい作品であるのは確かだ.しかしベストワンに推すことは出来なかった.

真実を沈める碇(というか浅木原忍に)
同人小説であるしフェチの刺激は強かったにしろミステリとしてはやや不満である.それ故にベストワンとは推さなかったが,とにかくフェチへの攻撃力は去年一位タイであろう.
箱庭で科学の再発明や魔法物理学を云々するファンタジーには事欠かないが,法学の再発明を行う物語があっただろうか.あったのかもしれないが俺の世界では始めてだった.いくつかの団体の思惑が交錯する中で推理を行うという作りはミステリよりも警察小説に近く,己の好みを明らかにする上で非常に参考になったのもポイント.
ついでにメッタ斬りでは「架空の世界の小説の選評で泣かされる」という屈辱を味わったのが特筆すべき点である(褒めている).
あと蓮子とメリーと紫の関係についてあれこれ示唆してくるのに振り回された一年だったというのもある.
2013ベストワンを選ばないと殺すと言われたら合わせ技一本で「浅木原忍」と答えるのではないだろうか.

ココロギ岳から惑星トロヤへ
アイデアで一発ぶん殴るスタイルは良かったが細かい装飾がとにかく受け付けなかったので評価に困っている.もちろん四次元ミンコフスキー空間?を泳いでいるクジラのような生命体という概念は素晴らしかったし,それが現代と未来を繋いで座礁するなんて説明されたらそれだけで発狂モノのアイデアなんだが.
どうもショタ×ショタのBLで興奮する女性研究者というギミックが余計だった.本当に余計だった.小川一水をマウントしてタコ殴りにしてやりたいくらい余計だと思った.
それ,必要か?
俺の好きなギミックが埋め込んであればそりゃあ嬉しいが,何しろ小川一水のこの手のギミックはとことん受け付けないので,読んでいてイライラすることこの上なし.
ベストワンには推しかねる.

以上,単発モノについて.
続いてシリーズ物で二つ言及する.

マグダラで眠れIV
ギリシャの火という新兵器を持ってしてスターリングラードというかレニングラードというかセバストポリというかの包囲を脱出するというのはもう萌えるんですよ.
これ以上の言及は無し.それは去年やったし,同じネタでベストワンに推すことは出来ない.

機龍警察-暗黒市場-
暗黒市場を単体で読めば物凄く面白い.なんならベストワンに推しても良い.
しかし俺の価値観というか思い入れは絶対に自爆条項の方が面白いと叫んでいる.だから無理なのだ.
これはライザとユーリのどちらが好きかという問題と切り離せない.もちろん切り離して作品単体同士の評価/比較を行ったほうが誠実であろう.しかし事は最早誠実さの問題ではない.どちらを抱えて泣きたいかと言われたら俺は自爆条項を選ぶ.暗黒市場ではない.
そもそも機龍警察シリーズを,最初はB級SFとして受け取ったはずだった.一人乗りのリアルロボットに乗って街中でドンパチやって,しかも搭乗者はワケありの傭兵で,という.その姿・ライザ・ユーリのワケあり傭兵の抱えている過去/闇は作品中で徐々に明かされて,それに従って作者の持つ世界観/人間観が明らかになっていく.気がつけばSFとしては凄まじくはなくとも,個人的な歴史を背負った人間の苦悩が色濃く描写されていて読むのが楽しく,そして辛い,上質の物語になっていた.
であるなら,背負った歴史の重さ,というよりその色の違い,がどうしても物語の「好み」を評価する上で欠かせなくなる.ユーリの警察官としての業や「親父」の克服は,警察小説としての側面を持つシリーズであるだけに,物語的な必然と相乗効果を生んで一本筋が通った完成度の高さをこれでもかと見せつける.それに比べたら自爆条項においてはテロリストが警察組織に属するという相克は解決されないし,親や妹との関係の処理も,女性テロリストであるライザと女性研究者である緑の対比構造も,「そんなことは全てライザにとってはどうでもいい」という結論しか提示されない一種のセカイ系的なオチになっている.評価はされないのかもしれない.
でも,俺はそっちのほうが好きなんだよ.警察官という組織人としての苦しみなんて,そもそも生きていくことすら辛い環境に比べたら天国にも等しい.主観的にはそうとは限らないし客観的にもどうだかはわからない,そんなエクスキューズはいらない.組織が敵に回った時の恐ろしさよりも,世界が敵に回った時の恐ろしさの方が,辛く,苦しいんだ.だから,ライザの方がユーリより好きなんだ.

とりあえず書いてみた結果,文章の長さの順に
1位暗黒市場
2位真実を沈める碇
3位ココロギ岳から惑星トロヤへ
4位みずは無間
5位マグダラで眠れIV
となったのでこれをもって2013年の総括とする.
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2014年01月19日

みずは無間

探査機好きなんだよ.文句あっか?

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posted by terarorz at 18:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 本とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

盤上の夜

面白い,のだが短篇集なので少し濃度に差がある.全部が全部面白いわけではない.

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posted by terarorz at 18:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 本とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

銃・病原菌・鉄

名著であるらしいので読んでみた.名著であった.

読み物としてはそれほど面白くない.起承転結が無い.最初に提示されたテーゼをただひたすら補強し補完し証明し論証するだけである.それが面白いか面白くないか.「読み物としては」面白くないのでは.もちろん「科学読み物」としては抜群に面白い.

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posted by terarorz at 18:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 本とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

皆勤の徒

わけがわからないものをわけがわからないという理由で低評価するのは個人的な禁じ手の一つだ.
が,わけがわからない.独特というか特有の単語が多すぎて俺の想像力の限界を超えた.そうなると描写されている世界の解像度が著しく低下してしまう.
それでもなお面白ければ良いのだが微妙に社畜めいた用語の数々からどうにも陳腐な連想をしてしまい非現実への没入感が持てない.

俺の責任であると認めた上で言うが俺には面白くなかった.
posted by terarorz at 17:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 本とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ロケットガール1

野尻抱介の復刻版.
1995年にはSFだった作品が2013年には「現代と同水準の技術を持つパラレルワールド」を描いているというノスタルジーにも似た感動が味わえる.
1995年の段階では陳腐でご都合主義的で酷評されていたかもしれないし,今でもそうだと思うが,古典に昇華することによって面白くなったという稀有な作品である.
posted by terarorz at 17:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 本とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ゲンソウガタリ

これは浅木原さんの個人的なファンでないと厳しい.
私は好きですが.
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2014年01月16日

回想の第三帝国(上・下)

マンシュタインの副官の回想録とか読むに決まってんでしょうが.

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posted by terarorz at 03:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 本とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

キノの旅XVII

印象無し
posted by terarorz at 02:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 本とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

神風,米艦隊撃滅

艦これ始めたのと時を同じくしてこういうレパートリーの本を読み始める.素直に日本軍側のいわゆる戦記モノにはなびかず,米軍目線でしかも台風に遭遇したという話に手を出すことで意地を張っているが,こう振り返ってみると情けないことには変わりない.うーんこの.

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posted by terarorz at 02:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 本とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

臨機巧緻のディープ・ブルー

押しかけて行ってファーストコンタクトってのは良いんだけどちょっと人間に近すぎるのではないか.
あまり面白くなかった.小川一水は外すとほんとにアカン.
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2014年01月13日

因習を焦がす炎

また放火かい

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posted by terarorz at 23:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 本とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ソフロニア嬢,空賊の秘宝を探る

これ面白いか?
原語で読んだらまた違う可能性は否定しないが.
posted by terarorz at 23:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 本とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

稗田文芸賞メッタ斬り 受賞作はそれですか?編

まさか書評で目が潤む日があるとは思わなかった.しかも架空の世界の架空の作品で,だぞ.

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posted by terarorz at 23:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 本とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

マグダラで眠れIV

クースラとかいうヘタレ

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posted by terarorz at 22:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 本とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

僕は友達が少ない9

まあネットに落ちてる解釈だとさ

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posted by terarorz at 22:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 本とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

黄昏の百合の色

愛とは共感能力であるとよく言われる.その究極の形とは何なのか.男女であればセックスと子作りというのはひとつの回答になりうる.では,女と女の場合は?

作中のファンタジーとして同性婚は認められているし確か同性でもiPS細胞とかいうので〜な世界であったと記憶している.しかしそれを社会の形として,背景として,世界観として描写するのと,主人公二人がその形に落ち着くのは主題としては無しであろう.仮にそのような結末を選ぶなら蓮子とメリーである必要性が無い.同人小説だから何でも良いだって?馬鹿にすんなよ.仮に作者がそう言ったとしても俺は認めんぞ.

という縛りを入れて考えるとアウフヘーベンとしか言いようのないファンタジーな回答が示唆されている.が,それはそれでおかしいだろとも思うしとりあえず今後に期待してお茶を濁す.
posted by terarorz at 21:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 本とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ヴァルキリーワークス2

ほんま下らんハーレムラノベ(メイン1サブ2)で読むだけ時間の無駄だと思うが,そういうのは後から言う話であって読んでいる最中はまあまあ楽しいのな.しかし流石に馬子さんのままではまずいとか言ってデザイン変えたらメインヒロイン食っちゃうとかあり得るから気をつけろよな.正直銀髪以外の要素全部負けてんぞ.
posted by terarorz at 21:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 本とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

WBC侍ジャパンの死角

エピソード主体ながら統一的な主張がそこかしこに現れる.例えばWBCの運営やNPBの姿勢,さらには12球団のサポート体制についての不満とか.

単に負けただけでなく台湾に苦しみブラジルに苦しんだという内容的にも今回のWBCは「日本の全力はこんなものではない」という感想を持たれがちだし,現場でもどうもそう思っているようだ.少なくとも高代コーチは.だから改善すべきだと本文中で挙げられる点は現場ならではの意見でこれを将来の代表にフィードバックしていくべきだと思われるがNPBがそうしているかどうか,本文中の記述から判断する限りではは甚だ疑問である.その点では日本サッカー協会より酷い.
じゃあ高代は無能なのかどうかという話になるが,2013統一球が2012から変わっていることについて多分公式発表の前に見抜いているし,具体的なエピソードの記述を見る限りでも注意力や観察力は流石プロのコーチであると思えるので,個々の欠点はともかく全体としては有能な部類であるように思われる.山本浩二は無能と言いたくないが言わざるを得ないという感情がにじみ出てしまう素直さなんかも好感が持てる.

試合のスタッツを手元に置きながら読むととても面白いのではないか.
posted by terarorz at 21:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 本とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

黒警

機龍警察は街中でアーマードコアで暴れたいっていう願望があるから最後はドンパチやって終わらなけりゃならない.だけど警察官僚の話も書きたい.だからアーマードコアを削る.
そうするとこの本になる.

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posted by terarorz at 21:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 本とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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